塩の湯温泉 サンセット中条

ふれあい館で生気を吸い取られた後、隣接する施設サンセット中条へ。脱衣場に入ると新潟ラジオのノイズがかけ流されており、空間が歪んでいる。ボーっとしたままどれだけ時間が経過したのか、やっとの思いで服を脱ぎ扉を開ける。そこには黒い湯が張られていた。客はおじさんが3人ほど浴槽の淵で喋っている。おじさんをかき分け、湯船にダイブ。っ!?あっっつ!!46.5度くらいか。ビシビシ系もとい、ビシバシ系の激アツ湯。身体を沈める。動けない。そっと臭いを嗅ぐ。っ!?…その瞬間、僕は宇宙に放り出された。駆け巡る黒い液体、程走る刺激的気体、照らしつける太陽、瞳が上に引っ張られた。隣の浴槽には水が張られている。その横にはサウナがある。お分かりいただけるだろうか。そこには全てが存在する。気付けばループの海に飲み込まれていた。しかし様子が変だ。先程のダウナーな状態がループしていくうちに徐々にアッパーな状態へ押し上げられ行く感覚に気付く。此れはループではなく螺旋だ。決して同じ状態というものは無い。徐々に変化を遂げ未だ見ないものへ進化しているのだ。自分たちの音楽と照らし合わせた場合も同じ事が言えよう。人生で3本の指に入る名湯である。ただ奇妙な事にふれあい館とサンセット中条の使用源泉は同じ事だ。ダウナーにもアッパーにもなり得る湯。俺はそこを目指してるのかも知れない。